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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
御安心でしょう。富ちゃん先の手紙で、嫁をとってもやって行けると強調していたが、どうかしら。
寿夫[自注12]さん、本を売っ払って行くというから、私欲しい本だけゆずりうけます。只でよこして貰ってもわるいから。
スノウの細君[自注13]が西北地方旅行会見記をかいて居ります。スノウ夫人とは云わず、別な名(旧姓)でやっているらしい。訳もむずかしかったでしょう(『改造』四月)。スメドレイの従軍記と全くちがって、事務的に(マタ・オヴ・ファクト的に)数字や人名など表記して居ります。〔中略〕チュテーのおくさん、えらい女武者であるそうですが、女の問題に答えて私は彼女たちの仲間でありませんと云っているところ。知りませんと。なかなか面白い、いろいろの要素がわかって。複雑な波ですね。
一平さん[自注14]、かの子の追悼をあちこちにかき、様々に思わせます。新婚の頃、友人をひっぱって来て二日二晩のみあかして、となりの室にいるかの子に食うものがあるかないか考えても見ず、のまずくわずで彼女はサービスしていたと。そういうところから彼の発明の童女性が生れ、それが、ああいう形に発展したこと。