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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

今になおります。よむ方が益※(二の字点、1-2-22)はかどれば、益※(二の字点、1-2-22)こせこせ、ね一寸見て、一寸見てとうるさい子供式のことはなくなります。

経済年表はたのんであります。哲学辞典はありますが。経済学史のことありがとう。大部なものの前によんだのにも一部分は出て居りました。文学評論の古典は、アリストテレスとは思いませんでした。あれはもう古典をそう考えていた時代、岩波のホンヤクでよんで(!)しまいました。

いつだったか徳さんか誰か、あなたの物覚えのよいのをフーと云って話していたことがありますが、大掃除以前のきわめつけをとり出されたのは、全く汗顔です、意地わるい方ね。恐縮な顔は自分でも滑稽であるが又腹立たしいところもあります。まさか、今悦に入ったりしてはいやしないでしょう? 悦に入っているなどと思ってお書きにもなっていないでしょう。

素朴な合理主義をより成長させるための努力。いろいろ勉強して、文学においても発展成長させたいと思います。素朴な合理主義へは、誰しも一応ゆくのです。そこいらまでは自然発生的に辿りつくが、現実の諸事情の間で、いつしか弱い基力となり、文学においても様々の形体で、主観的な道義性ならまだわかるが、道義性さえ失ったあるがままの姿に安住する姿、陸続です。