轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

昨夜から一等兵になった由、星二つついている。十時すぎでしたから、ずっと西練兵を突切って歩いて、福屋デパートへ行って、先ずクレオソート丸やその他の薬品を買い、六階の食堂でおひるを三人でたべました。隆ちゃんは西洋料理はきらい。白いお米の御飯よろこんでたべました、あちら麦ばかり故。どうもお花見だし日曜日だし、広島の狭苦しい通りは縁日のような人出で、ゆっくり歩けもしない。すこし静かなところと云ったら隆ちゃんが比治山公園というのへ案内してくれました。ここも折からお花見の大した人出でしたが、山がひろいので、騒々しくはない。そこの林の間の亭に腰かけて、お母さんは隆ちゃんに東京からの御餞別をおやりになり、私たちのもやり、隆ちゃんがこれ迄働いた給料の貯蓄分として、いつぞやお送りした額の倍だけ定期にして証書を見せておやりになりました。私共三人がそんなことをして、隆ちゃんがいろいろ軍隊生活の話をしてきかせてくれたりしているわきには、サラリーマンの親子づれが竹の皮を開いてお弁当をたべたりしているという光景です。暫くしてぶらぶら山の高みへ上ったら、そこは大変。ぎっちりのお花見。