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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
株がええ、そう叔父さんから云い出して株をやるようにさせられた由。元来富ちゃん気が小さく、つまりいくらかしまって安心している金がないと気が落付かなくなるそういう風なのですね。だから今度の整理がうまく行ったのも、あのひととしたらいいわけでしょう。それで、心祝のわけで私が去年の秋富ちゃんのゴタゴタのとき送って上げた旅費20かえして下さいました。返して頂くつもりはなかったが、そういう一区切りのときであちらもそれで心持よいのであるから、では、と頂きました。私の方は大助り。隆ちゃんにいろいろ買ってやって底ぬけでしたから。隆ちゃんは、ああいう人で、何んでも、ハアもう何もいりません、と云ってばかりいるのだから。
野原では、私は富ちゃんと叔母さまに何を云ったとお思いになりますか? 予算生活をせよという、全く柄にないことを云ったのですが、それは、あすこには必要なの。これまで定収がなくてその場その場。入れば何でもする、そういう気分でやられて来ているから初めて定収があって、それをきっちりつかってやってゆくことを学ばなければ、結局又「あるだけみたしてハヤないようになった」