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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
尤も二十五日六日は二日つづきのような形でふらつきましたが。七月はじめ、あなたが書いて下すった標準で行くと、丙が一日。丁が二日。乙が二十五日。あら珍しや、甲も甲上が二日ですが、この甲上は本質的には丁以下なわけです。おなか通したり、へばったりしていたのだから。林町も今は咲枝がなるたけ早ねをのぞんでいるし、随分やりよい条件です。書きもののためにも徹夜はしないを原則にして、本月にしろ、きのう迄でも十二時越したのはたった二日です、四日、五日。これは全くましだと思います、認めて下さるでしょう。それはそうなわけね。お客はない。台所のことはしないでいいのですもの。家居の日は仕事していられるのですものね。
さて、読書のことは、小さくなって書きます。百二十頁。まことに点滴ですが、すこしで二巻目終ります。どうぞあしからず。
きょう、一つ書きたい小説のテーマ心に浮かびました。家庭家族の内のこととして印象的に書いてゆけばいいでしょう。もうすこしまとまったらきいて頂きます。四五十枚のものでしょう。まだポーッと一つの中心をもったものが浮かんだだけでまとまってはいませんが。どういう風に(時間を、よ)書くか不明。