轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
十五日から又出勤ですから。九月七八日に書き上げたいから。今日の人生の現実の中でよく生きたいと思っている若い勤人夫婦、その妻の親たちの考えかた。勤先の人々の心持。そういうものをかきたいのです。今の立身(流行)の妙な波動の中で。貧乏が貧乏としてだけにしか見えず、安心してすじの通った貧乏していられないような空気の中での、子持ちの若夫婦の心持です。その心持の内からかいてゆきたいと思います。いろいろのディテールを添えて。
この頃いろいろ自分の作家的特質というものについて考えます。私は気分から書く作家でもないし、独白の情熱でかく作家でもありません。又、女、女、女、と執したところもない。書きたいところは、やはり今云ったような心持に向きます。小説が書きたい心つよくて。全く、この間『文芸』に「求められている小説、或は小説にもとめられているもの」について書いたように人生的な共感のふかい小説がほしゅうございます。そういうものが書きたい。この人生に何かを求めて生きている人々の心にふれるような、ね。悧巧な小説、うまい小説、しゃれた小説。文学上のおもちゃはほしくない。そういう点でトルストイはやはりいつ迄たっても偉い男であると思わせます。