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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
去年じゅうの手紙のこと、大変思いやりのこもっている温い心持で見ていて下すってありがとう。でもやっぱり自分としてジットリするようなところがあり、それも、自分とすれば自然なのでしょうと思います。
冷水マサツは。多くを語らず、です。
きょうは手紙、ゆっくりどっさりかきたいが強いてやめます、わけは、又右手の拇指の下がすっかりふくれて右手こまるのです。二度目です。先月末、本月末、とかく月末にはれる。まさか晦日がこわいのじゃないだろうのに、と大笑いですが、やはりすこしペンもたず休みますから。すこし研究を要します。心臓の関係だとこまるから。一時的のものを反覆してはこまりますから。可笑しいでしょう、手全体ではないの。拇指の根のまわりのふくれたところが益※(二の字点、1-2-22)ふくれてしまうのです。きょう、あとで又佐藤先生(!)のところへ相談にゆきます。では又ゆっくり。明日お目にかかりましょう、ひどいひとね、きっと。
十一月二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十一月二日 第一〇二信
かえってポストを見たら、やっぱり来て居りました。ありがとう。
私の手のことね、くすりがきけば癒るのです。