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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
血管の末梢神経衰弱というので、心臓の関係ではないのだそうです。
佐藤さんはまだ学生ですが、それだけ熱心で、私の日常生活のあらましも知っているから、家庭医としてはなかなかようございます。今薬をもらって居ります。
それに私は気をつけて、マメにちょいちょい休息するようにして居りますから。書くものも本月は『文芸』のつづき(きょうからはじまり)、『新潮』の小説、『文芸』の小説だけで、十二月には一月、二月のために『文芸』のつづきが予定にある位のものです。
『日本評論』の小説は三月にして貰いました。三月でも一月末か二月とっつきの由。『文芸』のはつづけてのせられるうちのせて完結したいと思いますから。
きょう御注文の本、図表は世界のがあって、日本の見当らず。すぐ注文しておきました。本屋といえば、目白駅へ出る黒いサクの一本道、覚えていらっしゃるでしょう、あの右側に金物や床やがあり角に果物やがあります、あの一軒手前に夏目書房という古本屋さんが今出来かかりです。いい人だったらいいと思います。いろんな点でどんなにか便利でしょう。今いい古本やなくて、神田の稲田にたのむのです、主に。