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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
林町では離れをひとにかしました。これまで川口辺に住んでいた画家です。どっさり子供がいる。あっちはガスが出ないのですが、この炭のないときやれるのかしらと思います。家賃20也(まだ会ったことなし)。
林町の横のダンゴ坂から東京駅へ通っていたバス全廃。あの界隈は昔私が女学校に通っていた時分のようになりました。歩いてゆく人々は大したところとなった。
寿江子、英語ずっとやって居ります。
あぼちんは、あか子にやきもちやいていく分退歩してしまったそうです。年がちがいすぎるとこうでいけませんね。
この間の運動会では活躍したらしいのに、家であそべる子供が出来たら、どうも幼稚園へゆかぬらしい、御きげんとって貰うのがすきで。ケチな顔しているというので、考えている次第です。生活に一貫した何の気分もないところでは、子供がなかなかしゃんとゆきませんね。家庭なんて口で与える教育ではないもの、気分ですもの、時々刻々の親の生きている気分だもの。
達ちゃんのところから逆輸入は面白いこと。でも、それもいいでしょう、お母さんのお心につたわりかたが又別だから。
隆ちゃんの話、ようございましたね。