轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

この節、四角い紫檀の机をつかっていて、その横にあなたの側ダンスをおいて居ります。その上には、父が昔買ってくれた古瀬戸の油つぼの絵こんな形の油つぼがあって、それに今日はこぼれた種から生えて咲いた菜の花がさしてあります、その引出しの二段目にフートウや何かを入れてあります、原稿紙もきっちりに入る奥ゆきに出来ているのね、一寸台所へ行って見たら、寿江子が何だかコネていました。きょうは日曜日で又うちは二人きりよ、しずかです、朝は六時ごろ目をさまし戸をあけ空気をとおし又横になりすっかり起きる気になる迄居ります、睡たいうちは何度でも眠るのよ。朝、夕に論語をひらくというのも、おっしゃるとおりうそでない気持で経験されたことでしょう、愛誦の詩の中から目醒めるということもあり、それは殆ど地上へ我身を落付けるに余程手間どるばかりです。まだ書きたいけれど、光線の工合が眼によくなくなったから又改めて。

五月二十八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(浅間山の写真絵はがき)〕

二十八日、

きょうも雨になりました、もう五月雨に入ったのかしら。けさ迄二日咲と健之助が帰って居りました、種痘のために。