轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

人間の自然な表現というものは何と素朴で、生きものらしくて肉体的でしょうね。好きというこころや可愛い思いなどというものは、本当に活々としたもので、それは心の動きそのまま行動で、子供たちやその子供を可愛がる母親なんか、一つ一つをみんな肉体的なものに表現しているのに感服します。土台そういうものなのよ、ね。

火曜日は、前日に五ヵ月ぶりで用事が一段落し、それも初め考えて居たよりすらりとまとまったので、やっとのんびりした気分で、それをあなたにもおつたえしたい心持でした。ところが、それどころか、あの日は、まるで水浅黄の丸い雲の塊が寝台の横へおりたと思うと、エノケンの孫悟空の舞台の五色雲のつくりものではないが、忽ちスルスルと糸にひっぱられて消えてしまったというような工合でした。

今までの本なんか、そのままでいい風です。文学の仕事だけをする分にはさしつかえもないことになるようです。でもこれは事情が錯綜している上、紙なしですから、いずれにしろごく内輪なことにしかならないでしょう。しかし冬にでもなってもうすこし体がしっかりしたら一日に時間をきめ仕事をはじめたいと思って居ります。