轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

げんだいのさじゅつ

現代の詐術

坂口 安吾

「個性 第一巻第一号」思索社、1947(昭和22)年12月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,471 字 · 25 页

青空文庫

これが、つまり平時の心、昔の人はうまいことを言った。タタミ水錬というのである。私のようなのがタタミ水錬で、カミシモを疑うことを知らない、戦争を知らないからで、知らない、ということは、情けないことだ。

私はオヤオヤこれはヒドイと思ったのは、国民酒場の行列で、ヨタモノが前の方を占領し、タライ廻しにする。けれども、このときは、まだ気がつかず、これはヨタモノのやることだと軽く考えていた。そうじゃない。

愈々タバコが少くなり、どこの店でも時間をきめて売るようになると、未明から行列する。私など、七時に売るというのに、四時から行列して買えない。勇猛心をふるい起して三時に並ぶ。ようやく一つ買える。けれども二三日すると、もう二時に列ばないと買えなくなってしまう。

なぜ私が買えなかったか。私はつまり隣組共同戦線に敗れたのである。朝の三時といえば全然まっくらで、列んでいても、私の前後の人間のうごめきだけしか分らない。ともかく然し私は二十番目ぐらいにいる。みんな見たところヨタモノじゃなく、オジイサン、オバアサン、オカミサン、女学生、私をのぞくとヨタモノみたいなのは一人もいないから安心だと思っていると、そうじゃない。