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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
なお他に注目すべき流れとしては、和辻哲郎や三木清をつらねる人間学の諸形態があり、或る一部分の反動化の可能性を有つインテリ・リベラーレンの嗜好に投じている。――其の他に至っては、文献学的な机上の研究の進度を他にして、取り立てて論じる必要はないようだ。大体に於て哲学専門の大学機関誌は極度に不振であり、『思想』(之はともかくも優れた文章をのせる)や『理想』は殆んど全く思想上の魅力を有っていない。
アカデミーに於けるブルジョア(乃至ファシズム的)哲学である各種の観念論に対立して、日本の唯物論(弁証法的唯物論)が殆んど完全に在野の哲学であることは、注意すべきだ。この点英仏と多少異り、ましてソヴェートの場合とは全く別だ。在野の哲学と云っても町の通俗哲学という意味ではなくて、学術的な水準の高さを追求する哲学であるのは云うまでもないが、研究に伴う各種の不利と、支配者社会による道徳的・行政的・乃至は肉体的な抑制とによって、伸びるべき処を抑えられているという意味で、在野的なものである。雑誌としては唯物論研究会の機関誌たる『唯物論研究』を他にして、わずかに『世界文化』