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いきぬくちから

生きぬく力

小川 未明

「新児童文化 第1冊」1940(昭和15)年12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,352 字 · 11 页

青空文庫

」と、孝二は、不思議に思いました。

「いつか、ドッジボールのお金を出してもらったから。」

「えっ。」

「いつか、ドッジボールのお金を出してもらったろう。」

「そんなこと、いいんだよ。君、お食べよ。」と、孝二は、それを返そうとすると、

「僕、君の分として買ってきたんだもの。」と、小泉がいいました。孝二は、これを聞くと、目がしらが熱くなって、

「ありがとう。」と、礼をいって、自分の持ってきたものを出して、二人は、並んで話しながら、お菓子や、果物を食べたのでした。

「まだ、新聞配達をやっているの。このごろちっとも見ないね。」

「ちがった方面を受け持ったのだ。」

「休みのとき、遊びにおいでよ。」

「だって、恥ずかしいもの。」

「ちっとも恥ずかしいことなんかないさ。僕のお母さんも、君を偉いといって、感心しているよ。」

「そうかい、こんどいくよ。」

「卒業したら、どうするんだい。」

「お母さんは、上の学校へはやれぬから、家の手助けをしろというのだ。」

「君のお母さんは、いいお母さんだろう。」

「僕が、勉強ができなくても、しからないよ。」

「先生も、これからの子供は、第一が健康で、つぎは、正直に働くことだ。