轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

「雄弁」1928(昭和3)年9月~1929(昭和4)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,598 字 · 182 页

青空文庫

そうして口々に叫び合ったが、すぐに手筈が行なわれた。

まず一人の若者であったが、白河戸郷の方へまっしぐらに走った。危急を白河戸郷へ報告して、加勢を求めるためであろう。

二人の若者は腰刀を抜くや、小枝が誘拐しに遭ったという、その方角へ疾風のように走った。

残った一人の若者は、侍女達の介抱にとりかかった。

が、一方、宮川茅野雄と、醍醐弦四郎とはどうしたか?

茅野雄は上段に弦四郎は正眼に、構えをつけたままで睨み合っていた。

その横では気絶をしているらしい、小枝を侍女達が介抱しているし、幾人かの侍女達は気絶をしてもいた。

構えをつけながらも弦四郎は、恐怖を感ぜざるを得なかった。

(思ったよりも素晴らしい剣技だ。尋常に闘ったら俺の方が負ける)

茅野雄の剣技の勝れているのに、弦四郎は恐怖を感じたのであった。

(どうしたらよかろう? どうしたらよかろう?)

――と、すぐに一つの考えが浮かんだ。

(丹生川平の奴原が、俺を見捨て走り去った。が、精悍の彼らである。よもや逃げて行ってしまったのではあるまい。丹生川平へ事件を知らせて、加勢を呼びに行ったのであろう。……おッ、そう云えば音が聞こえる。