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せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

「雄弁」1928(昭和3)年9月~1929(昭和4)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,598 字 · 182 页

青空文庫

「ほほう」とそれを聞くと宮川茅野雄は、化かされたような気持ちがしたが、

「貴殿の買われた運命と、拙者の買い取った運命とが、似ているというようなそのようなことが、殺生沙汰を招きましょうかな?」

「運命を占った女巫女の、素性をご存知ない貴殿としては、そういう疑念を挿まれるのは、当然至極と存ぜられますよ。またあの巫女の占ったところの、『何か』得られるというその『何か』の、何であるかをご存知なければ、そういう疑念も挿まれましょうよ」

「それでは貴殿におかれましては、巫女の素性をご存知なので?」

「さよう、拙者は存じております」

「で、その『何か』もご存知なので?」

「さよう、拙者は存じております。と云うよりもこれはこう云った方がよろしい。――その『何か』を手に入れようとして、五年以来探しておりましたとな」

「が、それにしても何の理由から、拙者を討とうとなされましたので?」

「競争相手を亡ぼしたかったからで」

「ほほう」とそれを聞くと宮川茅野雄は、また化かされたような気持がしたが、

「いやいや拙者におきましては、あの巫女の占った運命などは、決して信じはいたしませぬよ。したがって『何か』