轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆきしげこよエゴイストになれ

由起しげ子よエゴイストになれ

坂口 安吾

「文学界 第二巻第三号」1950(昭和25)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,669 字 · 4 页

青空文庫

誰かの批評に、女房として不適格、とあったが、これはアベコベだ。女房に不適格な小説が書けると、この人の作品は光彩を放つだろうが、今のところは、女房小説である。

だいたい、日本の家族制度のような国で、女房に適格な女に、ろくな小説の書ける見込みがない。

由起さんが、女房に不適格だと自任しているかどうかは知らないが、在来の家族制度とか、社会的因習に、根強い不満を示していることは、言説に現れている。若い娘たちが空論を弄ぶのと違って、四十をこした由起さんが自分の体験を理論の裏づけにして、穏やかに、しかし相当の硬論を吐いているところは大人々々している。

しかし、それが小説の支柱になっているかというと、そういうところも見当らなくて、由起さんの小説は甚しく感性的で、雑然としているのである。

福田恆存が由起さんを酷評しているのは、当ったところがある。福田の批評は親切でないから、由起さんに通じないようだが、一言にして云うと、由起さんの小説は手前勝手すぎるというので、福田の気に入らないのである。

いろんな作中人物が、主人公、もしくは作中の事件との接触の面でだけ捉えられて、他のことは切り離されている。