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だんじょこうさいよりかていせいかつへ

男女交際より家庭生活へ

宮本 百合子

「女性日本人」1922(大正11)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,488 字 · 35 页

青空文庫

母親は傍に椅子を引寄せて、あやしながらでも、体は自由に仕事が出来ます。いつも母の膝に抱かれているような習慣はありません。そんな風では、子供の健康に悪いのは勿論母が家事どころか身の廻りさえきちんとする事が出来ませんでしょう。

嬰児で、いつも凝っと床にいるような時代は、それでも、まだ母親の時間はあるようです。歩き出す、そろそろ外に独りででも出かけたがる。そう云う時代になると、愛情の深い母は、殆ど昼間一杯を、子供中心に過さなければならなくなるらしゅうございます。それでも、紐育のような大都市では、大抵処々にある公園の子供遊場を中心にして、児童に戸外遊戯をさせるので、母親は、転がろうが辷ろうが安全な砂場、芝原に子供を自由に放して、自分は自分の為すべきことに没頭出来る設備になっています。

丁度、朝十一時頃から午後三時頃まで、日当りの心持よい公園の広場を通ると、私共はよく、ときの声を挙げて悦び遊んでいる子供等の一群と、傍のベンチで、本を読み、編物、小さい縫物、又は不便そうに身を屈めて手紙まで書きながら付添っている保姆、母親を見受けます。

戸外からは、まだ暖いうちに連れ戻って、体を洗ってやり、大人より早い晩食をとらせ臥床に入らせる。