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ちょうないのにてんさい
町内の二天才
「キング 第二九巻第一四号」1953(昭和28)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,836 字 · 26 页
ところが、である。試合がはじまってみると、実に意外である。意外、また意外である。石田投手の物凄さ。身長は長助と同じぐらいだが、スピードは段がちがう。コントロールはいいし、カーブを投げてもスピードが落ちない。金サンはカーブというものは曲る代りにスピードが落ちてフワ/\浮いてくるものだと思っていたのである。
「ウーム。凄い野郎だ。別所に負けないスピードだ」
金サンが思わず嘆声をもらしたので、近所の人々が笑いをもらした。金サンはムキになって、隣りの人に食ってかかった。
「あいつは超特別の大天才投手だよ。凄いウナリじゃないか」
「スポンジボールだからね」
「なアに別所だって、あんなもんだよ。カーブだって目にもとまらない速さじゃないか」
「どうかしてるな。このオジサンは。オジサンはあの学校の先生かい?」
近所にいた子供がきいた。その連れの子供が云った。
「あのピッチャーのオヤジだろう。あんまり変テコなこと云いすぎらア」
すると、みんなが笑ったのである。しかし、まさかアベコベのオヤジとは誰も気がつかない。金サンはいささか蒼ざめた。バッタ/\と三回まで長助チームは全員三振であった。