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がぼう
画舫
豊島 与志雄
――近代伝説――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,863 字 · 22 页
それに対して、金田は他の答え方をしました。文化の高い民族ほど、女は年をとっても容姿が衰えないし、随って妾の必要は少くなるものだが、文化の低い民族ほど、女は年をとるにつれて早く老衰し、随って妾の必要が多くなるというのでした。それではこの国ではどうかということになりまして、この国では女は結婚するとすぐに婆さんになると、金田は断言しました。
「ただ、少数の例外はある。」と彼はいいました。「僕はその一人を知っているが、彼女はもう三十五六歳にもなるのに、水の滴るような容色をしている。それも、若い頃はさほど美人でもなかったが、年をとるにつれて美しくなってきた。全く異数の女だ。」
人々は意味ありげに眼を見合せました。
「その上、財産もあるというのだろう。」と一人がいいました。
「うむ、財産もある。」
「君に誂え向きだね。」とまた一人がいいました。
「惜しい哉、彼女は既に一度結婚したことがあるのだ。」と金田は答えました。
「それでは、妾の組だな。」と誰かがいいました。
「目下考慮中というところだ。まず乾杯しよう。」
一同は笑いながら乾杯をしました。
その時、乾杯に加わりながら、景雲はぱっと杯を床に叩きつけて砕きました。