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はくとうのうた

白塔の歌

豊島 与志雄

――近代伝説――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,450 字 · 43 页

青空文庫

「考えてみ給え。荘太玄の名望と、方福山一家の財産と、それから君達自身はどう思ってるか知らないが、青年知識層の精鋭と見られてる一方の代表者たる、荘一清と汪紹生、それから自分でいうのも変だが、呂将軍の知嚢としてのこの高賓如、それになお、社交界の花形と独りで自惚れてる陳慧君、将来特異な才能を示しそうな柳秋雲をも加えて、それだけあれば、北京で大芝居がうてると思うのも、無理はないさ。」

「そんなことを呂将軍は考えてるんですか。」

「いや、考えてるものか。引きずられてはいるだろうが……。」

「では、誰が考えてるんです。方福山ですか。」

「方福山はまあ進行係というところだね。立案の方はどうやら陳慧君にあるらしい。とにかく、あの二人はいい組合せだ。」

「そして、あなたも、それに加担してるんですか。」

「僕が加担してたら、もっとうまくやるよ。柳秋雲に歌をうたわしたり、あれは可哀そうだった、あんなへまなことはしない。僕はただ傍観者にすぎないんだ。」

「傍観者……それでいいんですか。僕はあなたを軽蔑しますよ。」

「なあに、軽蔑は最後になすべきものだ。事の成行を楽しんで観てるという時機もあるさ。