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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
「そうだよ。それにすこしも違はない」
「フム、そうで御座いましょう。ではもしやその美紅姫は、この間の朝不思議な夢を御覧になりはしませんでしたか」
この言葉を聞いた紅矢はあまりよく中るのに驚いてしまって、口を利く事が出来ず只やっとうなずいたばかりでした。けれども婆さんは構わずに――
「フム。フム。フム。いよいよ妾の占いは本当だ。では今一つお尋ね申し上げます。その美紅姫がその夢を御覧遊ばした朝、お眼が覚めて吃驚なすった時、窓の処に一匹の赤い鳥が居はしませんでしたか」
紅矢はもう、余りの不思議に呆れてしまって、只深いため息をつくばかりでした。
「ヘヘヘ……。よく中りましたで御座いましょう。妾はこの国第一の年寄りで、又この国第一の占者なので御座いますもの。当らない筈は御座いませぬ。妾は初め、向うから貴方が馬に乗ってお出でになるのを見付けまして、貴方のお顔を見ました時、すぐに貴方は貴い身分の御方で、御両親や妹御様方があり、しかもその末の妹御様は、この間十何年の長い間、他の国で美留女姫と名乗ってお話狂気とまで云われた夢を御覧になって、その夢が覚めると、枕元の窓の処に一匹の赤い鳥が居た事、そうしてその長い夢の間に、昨日までの事を忘れてしまって、却って今の御身の上を夢ではないかと思っておいでになる事なぞが、一時にすっかり解かっ