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すかいさんきこう
皇海山紀行
木暮 理太郎
「山岳 一六の三」1923(大正12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,720 字 · 24 页
つまり座句山、栂原山、ヤケノソリ、エンマノトヤ等の諸山は、一連の山脈をなし、その山頂が界で、以南はすべて根利に属すというのである。皇海山から西に派出した支脈に延間峠というのが通じている。エンマノトヤはこの附近の名であろうと思う。以上の記事から推して座句山の位置はよく分る。即ち利根勢多二郡の界でしかも下野との国境上にあるのである。今こそ根利村は赤城根村の中に含まれて、利根郡に編入されているが、もとは北勢多郡の村であった。富士見十三州輿地全図には果して根利村(本図には誤って利根となっている)の東北隅利根郡に接して、下野境にサク山と記入してある。座句は即ちサクであり、その位置から推して皇海山に相当するらしく思われる。もしそうとすれば座句沢というのは、今の不動沢乃至栗原川を指したもので、砺砥沢は砺沢なること疑を容れない。
『郡村誌』によると更にそれがたしかだ。同書利根郡平川村の山の部に、
笄山。勢多郡ニテ之ヲサク山ト云。下野上野両国ニ跨リ、高峻ニシテ高不詳。村ノ東南ニ聳ヘ、南辺根利村ニ属ス。峻ニシテ登路ナシ。樹木栂椴ヲ生ズ。山脈南方ニ施テハ下野国足尾山庚申山ニ連リ、東方ハ日光山ニ連ル。