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まひるのおばけ

真昼のお化け

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年8月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,904 字 · 16 页

青空文庫

「うそでない、草の上に落ちていたんだよ。」

光一は、それ以上、ほんとうだと信じさせるようにいえないことを、至極残念に思いました。

「魚屋さんかしらん。しかし、あんな原っぱを通るはずがないだろう。また、ねこがさらってきたなら、食べてしまうし。そのえびは、どっか、傷がついていたかい。」と、勇吉が、ききました。

「一本も足がとれていなかった。まだ生きているように、黒光りがしていた。」

「そして、足が、動いていた?」

「じっとしていた。僕、家へ帰って、すぐに塩水に入れてみたけれど、死んでいたよ。」と、光一は、いいました。

「そいつは、おかしいね。それで、そのえびどうしたの。」と、勇吉は、そんなこと、あり得ないことだといわぬばかりに、問いました。

「僕、勇ちゃんに、見せようと思って、持っていったのだよ。途中で、かぶとむしを見つけたので、つかまえていると、ペスがくわえて、逃げてしまったんだ。」と、光一は、考えても残念そうに、答えました。

「なあんだ――。」と、勇吉は、両手を頭の上にのせて、しばらく考えていたが、

「ああ、光ちゃん、わかった。君は、夢を見たんだ! きっと、光ちゃんは、夢を見て、それをほんとうにあったことと思っているんだ。