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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

「保護観察」というのは、之も亦刑法上の問題であって、幼稚園の園児や小学校の児童に就いての規定だと思ってはならない。執行猶予や起訴保留(?)になった治維法の犯人は、必要に応じて、保護者に引き渡されることになるということなのである。保護者に引き渡されない場合は、寺や教会や保護団体や病院におあずけになるのである。お寺や教会に渡すということはどういう意味なのか判らないが、病院に引き渡すという処を見ると、あまり縁起のいい規定ではないようだ。併し万事は国体の尊厳を維持するためだ、国民に文句はない筈である。

三、荒木陸相の流感以後

今年の流行性感冒は非常に悪質で、私なども一カ月も寝ていたために、前号の「社会時評」の原稿を書きそびれて了ったが、そんな小さなことはどうでもいいが、荒木陸相がこの同じ風邪で大臣を止めなければならぬというような大事件を惹き起したということの方が、この感冒の歴史的意義をなしている。

尤も一方に於て当時の新聞紙の報じる処によると、荒木陸相は昨年末、例の内政会議終了の前後から辞意を決していたのだそうで、当時の林教育総監や真崎軍事参議官やがその前後策を凝議していたということだ。