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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
や「質実剛健」「実務的実際的教育」などが挙げられる。併し思想問題は一時的な国防上から考察される場合も、永遠な人間教育の立場に立つ文部省の立場から考察される場合も、少しも内容が変らないものと見える。まことに予定調和と云わねばならぬ。無論世間がこうした予定調和を見て大満足の意を表せずにはいられないのは無理からぬことだ。
国防上の第三の問題は、武力である。之は軍部に一任すべき性質のもので批評の限りではないが、世間がこの点で完全に軍部を信用しているという事実は、日本朝野の例の軍縮気※(「火+稻のつくり」、第4水準2-79-88)からも推察出来る。
だが実業家や政治家を驚かせ且つ怒らせたものは第四の国防上の問題である経済政策論なのだ。軍部の見解によると、現在の日本の経済組織の欠点は、(一)経済活動が個人の利益と恣意とに放任されて「国家国民全体」の利益と一致しないこと、(二)自由競争激化の結果、排他的思想を醸成し階級対立観念を醸成すること(※(感嘆符二つ、1-8-75))、(三)富の偏在、(四)国家的統制力の弱小、などであるという。
之に臨む経済対策は、国防上、次のようなものになる。