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かがくほうほうろん

科学方法論

戸坂 潤

「科学方法論」岩波書店、1929(昭和4)年6月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 页

青空文庫

それは今やロゴスによる――説明し得る――正しき意見であるように見える*(但し説明とはこの場合理由を語ることを指す)。

* プラトンの『テアイテートス』は続けて述べる、説明し得る正しき意見もまだ真の知識と云うことが出来ないと。けれども私は茲に止ることを有利と考える。プラトンに於てと異って、吾々の問題は、真知識を問うのではなくして学問性を問うのであったから。

今得た結果から仮に二つのさし当り不必要な規定を除くことが便利である。第一は知識に関する規定である。何となれば知識(又学殖)なるものは単に、学問という概念が帰着し又は結び付く概念、と考えられたのであったが、吾々は今之とは一応区別された処の、学問性の規定を求めていたのであるから。故にこの知識を規定する処の意見という規定はまず第一に除かれることが好ましい。第二に除かれるべきは真理に関わる規定である。何となれば学問性の分析を進めて行った結果、初めて真理の概念に出逢うことがあるにしても、――そしてそれは必然的であるであろう――、この概念との交渉を始めから決定しておく必要は吾々にはないから。それ故この真理概念に属する正しさの規定も亦省かれねばならない。