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かがくろん
科学論
戸坂 潤
「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页
労働手段に限らず又労働力に限らず又更に単に生産力に限らない処の)技術的水準を云い現わす言葉だろう。この社会の技術水準を決定する要因と標識との第一が、この労働手段体系であったのだと云っていいだろう。
で生産力の技術的規定(技術性)が、労働手段に就いては、所謂「労働手段の体系」として見出される。次に労働力に就いては、之が労働技能となって現われるのである。技能とは人間的労働力がもつ一つの資格である。云うまでもなく之は、労働手段乃至その体系に対応して初めて成り立つものであり、従って第一次的に夫によって決定されるのだが、併し二次的には逆に労働手段のもつべき諸条件をば決定する標準となるものである。機械は、機械操作に於ける労働者の労働力技能を客観的に発達させ、又一定の客観的な技能水準を労働者に要求する。だが又逆に、例えばコンベーヤー・システムは、与えられた一定技能水準を条件とするのでなければ、構成出来ない。労働工率乃至生産工率(エフィシェンシー)という言葉は、恰もこの技術性の二つの規定を結びつけているだろう(尤も企業合理化に於ける所謂能率としてのエフィシェンシーは、資本制による利潤追求の機構が之に干渉しているのであるが)。