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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん

空中漂流一週間

海野 十三

「名作」1939(昭和14)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,324 字 · 35 页

青空文庫

これをごらん下さい。自分は警防団に入りました。原隊復帰が許されるまで、警防団で働くつもりであります」

「そうか、それはよかった」

と、田毎大尉ははじめて合点のいった顔である。

「それで部署は、どういうところか」

大尉としては、やはり元の部下の「火の玉」少尉の部署のことまで気にかかるのであった。

「はい、監視班です」

「ほう、監視班とは、なるほどこれはいいところへ配属されたものだ。『火の玉』少尉の監視哨では勿体ないくらいのものだ」

田毎大尉は本当のことをいった。

「そんなことはありません」

と六条は、言下に「火の玉」少尉らしい活溌な口調でうち消して、

「今日ほど、監視哨の仕事が重大であり、そして困難を伴っていたことは、未だかつてなかったのです。ソ連極東軍の重爆隊は、今夜にも翼をはって帝都の空を襲うかもしれない情勢であります。自分は今夜から、任務につく決心であります」

「ふーむ、任務につくといって、どうするのか」

「はい、気球に乗ることになっています」

「なに、気球に乗る。どんな気球に乗って、なにをするのか」

田毎大尉は、「火の玉」少尉が気球に乗るなどといいだしたので、少々おどろいた。