轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くうしゅうけいほう

空襲警報

海野 十三

「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页

青空文庫

「おお……」

旗男は、姉とその愛児の正坊とが、それぞれの頭にピッタリ合った防毒面をかぶっているのを見て感心した。――そこで旗男もあわててスポリとかぶった。煙がその吸収缶に吸われて、とたんに息がらくになった。姉たちは、その間に旗男のそばをぬけて、スルリと門外にとびだした。

真向こうの大きな二階建の家には、焼夷弾が落ち、階下で燃えだしたと見え、家ぜんたいが、まるでしかけ花火のような真赤な炎に包まれていた。すさまじい火勢が、家ぜんたいをグラグラとゆすぶった。旗男はハッと立ちすくんだ。

「あッ、姉さん、あぶないッ!」

と、叫んだが……それは残念にも、すでに遅かった。とたんに家はものすごい大音響をあげて、ドッと道路の上に崩れおちてきた。――ああ、いましも正坊を抱いた姉が駈け出したばかりのその道路の上に……。

避難民

どこをどう逃げてきたか、よくわからなかった。とにかく気のついたときには、旗男は、まっくらな畦道をまるで犬かなんかのように四ンばいになり、ハアハア息を切りながら先を急いでいる自分自身を見出した。

(なぜ、僕はこんなに急いでいるのだろう?)

そういう疑いが、ふと彼の頭のなかを掠めたとき、彼はとつぜん気がついた。