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くうしゅうけいほう

空襲警報

海野 十三

「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页

青空文庫

「うわーッ、やられたッ……」

と鍛冶屋の大将が叫んだと思うと、どうと倒れた。

「おお、担架、担架」

「イヤ何、大したことはない」

大将はムクムクと起き上ってきて手を高くあげた。

「砂だ、砂だ。オイお前は、ホースを引っぱれ。早く早く。落ちついて急げ!」

防護団はあまりの強襲にあって、頭がカーッとして、何がなんだかわからない。

手あたり次第、眼にとまった方に駈けだしてゆく。これではいけない。もっと落ちつかねば……と気がついた旗男は、ふと天幕の中に、赤い房のついたラッパを見つけた。

「そうだ、これだッ」

旗男は天幕の中にとびこんで、ラッパをつかむより早く、口に当てて、タタタァ……と吹鳴らし始めた。それは勇ましい戦闘ラッパだった。

タッタ タッタ タッタ タッタ タッタ タッタ

「おお、戦闘ラッパが鳴っている!」

「おお、あれは誰が吹いているのだろう」

嚠喨たるラッパの音を聞いた人々は、にわかに元気をとりもどし始めた。

「おお、旗男君。さすがに、やるなァ!」

と鍛冶屋の大将は頭をふった。そして腹の底から声をふりしぼって叫んだ。

「そォらッ! 今あわてちゃいかん。がんばれがんばれ。