轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たてふだ

立札

豊島 与志雄

――近代伝説――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,218 字 · 21 页

青空文庫

」と張一滄は尋ねました。

「一時間ばかり前に戻って参りました。」と朱文は別な返事をしました。

「なぜすぐに来なかったのか。」

「馬の匂いが身体についていましたから……。」

「なに、なに、馬の匂い……。」

「馬に乗っていきました。それで、馬の匂いをおとすため、身体をふき、服を着換えたのであります。」

張一滄は驚いたらしく、眼と口を打開き、相手の顔を眺めましたが、突然、眉根に怒気を現わしました。

「お前は、一体、何処へ行ったんだ。」

「十里ほど彼方へ行きました。そして、どうやら、妥協の方法をつけてきました。」

「なに、あの盗賊どもとか。」

「左様です。」

「怪しからん。」

張一滄は握り拳で机を叩いて、立上りましたが、またすぐ椅子にかけました。

「然し、俺がいいつけたことは、俺との約束は、あれはどうしたんだ。」

「何のお話でございますか。」

「なに、何をいうのだ。俺たちの苦力を、お前の青布の連中を、結束して立たせる、ということではなかったか。」

「それには武器がいります。然し武器は少しもありません。」

「たとい銃がなくても、刃物や鉄棒や石はある筈だ。」

「そのような物では役に立ちますまい。