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だいよじげんのおとこ
第四次元の男
海野 十三
「ユーモアクラブ」1940(昭和15)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,156 字 · 18 页
つまり三次元だ」
「うん、三次元の世界だ」
「しかるに今、二次元の世界があったと仮定しろ。それは縦と横とがあるきりで、高さがない。まるで静かな水面のような世界だ。平面の世界だ」
「うん、二次元の世界か」
「今、水面へ、さっきの話の大根をしずかに漬けていったとしよう。はじめは、大根の尻ッ尾が水面に触れる。そのとき二次元の世界では、大根は一つの小さな点だとしか見えない」
「ふふん」
「ところが、大根を、ずんずん水の中におろしていくと、水面に切られている部分は、だんだん大きい白円に拡がっていく。二次元の世界では、点がだんだん大きい白円に生長していくのが見えるのだ。そしてついに、大根の葉っぱのところが水面で切られると、今まで白円と思っていたものが、急に一変して、多数の青い帯が散乱しているように見える。その青い帯が、たえず動き、そして形が変るのだ。そして大根の葉っぱの一番上のところが、水面をとおりすぎて下におちると、とたんに二次元の世界には、なんにもなくなる」
「ふふん、奇妙なことだ」
「はじめ白い点から始まり、やがて大きい白い円盤となり、やがてそれが青い帯の散乱となり、ついにぱっと消えてしまうまで――二次元の世界の生物には、それは一種の幽霊的現象として映ずるが、われわれ三次元の世界の者をして云わしむれば、それは要するに、一本の