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るこうしんそう

縷紅新草

泉 鏡花

在线阅读泉 鏡花《縷紅新草(るこうしんそう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,566 字 · 48 页

青空文庫

一

あれあれ見たか、

あれ見たか。

二つ蜻蛉が草の葉に、

かやつり草に宿をかり、

人目しのぶと思えども、

羽はうすものかくされぬ、

すきや明石に緋ぢりめん、

肌のしろさも浅ましや、

白い絹地の赤蜻蛉。

雪にもみじとあざむけど、

世間稲妻、目が光る。

あれあれ見たか、

あれ見たか。

「おじさん――その提灯……」

「ああ、提灯……」

唯今、午後二時半ごろ。

「私が持ちましょう、磴に打撞りますわ。」

一肩上に立った、その肩も裳も、嫋な三十ばかりの女房が、白い手を差向けた。

お米といって、これはそのおじさん、辻町糸七――の従姉で、一昨年世を去ったお京の娘で、土地に老鋪の塗師屋なにがしの妻女である。

撫でつけの水々しく利いた、おとなしい、静な円髷で、頸脚がすっきりしている。雪国の冬だけれども、天気は好し、小春日和だから、コオトも着ないで、着衣のお召で包むも惜しい、色の清く白いのが、片手に、お京――その母の墓へ手向ける、小菊の黄菊と白菊と、あれは侘しくて、こちこちと寂しいが、土地がら、今時はお定りの俗に称うる坊さん花、薊の軟いような樺紫の小鶏頭を、一束にして添えたのと、ちょっと色紙の二本たばねの線香、一銭蝋燭を添えて持った、片手を伸べて、「その提灯を」