轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おだのぶなが
織田信長
「季刊作品 第一号」創芸社、1948(昭和23)年8月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,950 字 · 36 页
さあ、お立会い。拙者の油は、よい油だ。よろしいか。拙者は油をヒシャクにくむ。それを、こうして、イレモノへつぐ。タアラリ、タアラリ一とすじの糸、ごらん、穴アキの一文銭の穴を通して、タアラリ、タアラリ。まちがっても、穴のフチに油がかゝったら、ゼニはいらん。ようく、みな、フチに一滴たりとも、かゝるか、かゝらないか、そうれ、みな、タアラリ、タアラリ。
手練の妙、穴を通して、フチへ油のかゝったことがない。大評判、油は一文銭の油売りの油にかぎるとなって、たちまちのうちに金持ちになった。
油を売りながら兵法に心をそゝぎ、昔の坊主仲間の南陽房にたよって、美濃の長井の家来となり、長井を殺し、長井の主人の土岐氏から聟をもらって、その聟を毒殺、土岐氏を追いだして、美濃一国の主人となって、岐阜稲葉山の城によった。
主をきり聟をころすは身のをはり、昔は長田、今は山城
というのが、当時の落首だ。山城とは、斎藤山城入道道三のことだ。微罪の罪人を牛裂きにしたり、釜で煮殺したり、おまけに、その釜を、煮られる者の女房や親兄弟に火をたかせた。釜ゆでの元祖は石川五右衛門ではなかったのである。