轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じゆうとしんぽ
自由と進歩
中谷 宇吉郎
「心」平凡社、1957(昭和32)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,610 字 · 19 页
一 自由論争
一 自由論争
新年を迎えて、過去一年間をふり返ってみると、まことに多事であったという気がする。鳩山総理のモスクワ訪問と日ソ交渉、砂川事件など、何となく急迫した空気が、日本の空におおいかぶさってくる気配が感ぜられる。
こういう気持を一層強めたものは、昨年の春から夏にかけて、一時日本を風靡した、いわゆる自由論争である。この方は、砂川事件ほど刺戟的ではなかったが、有識階級の間に発生した事件として、案外根強い影響を残したように思われる。
ジャパンタイムスによれば、ことの起こりは、私と桑原武夫氏との対談に始まったということになっている。文藝春秋に出た『自由過剰の国・日本』という対談で、われわれ両人は、日本には自由が多過ぎると論じた。しかしそれは大したことではなかったが、その後一月ばかりして、石川達三氏が、朝日新聞に『世界は変った』を書かれて、俄然議論が沸騰する騒ぎとなった。恐らく、日本で評論家と目されている人の大多数は、この問題に口をさしはさまざるを得ないような情勢になった。事実、いわゆる第一線の評論家或いは文化人は、ほとんど全部がこの問題について、意見を述べられた。