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じゆうとしんぽ
自由と進歩
中谷 宇吉郎
「心」平凡社、1957(昭和32)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,610 字 · 19 页
自由と秩序とは、立派に共存できるので、決して矛盾するものではない。
秩序を立てるには、或る種の制限が要る。自分の好きなとおりにやることまで、自由という言葉に含めれば、「制限」とはどこかで衝突する。しかしリバティは法で定義されかつ護られた自由であるから、秩序のための制限とは矛盾しない。というのは、リバティに抵触することは、法でもって規正しておくことができるからである。
リバティは集団生活の中の個人の自由であって、個人というのは、集団の中のすべての人を指している。それで他人のリバティを尊重するために、リバティには必ず「マイナスのリバティ」が付加さるべきものである。信仰の自由は、別の言葉でいえば、信仰の強制を禁止することである。
「マイナスのリバティ」などと、奇矯な表現を用いたが、結局、法律や規則のことである。そしてその性質は、リバティと同じ次元にあって、方向が反対という意味である。そういう意味で、自由の侵害を防ぐための拘束は、自由の制限ではない。
アメリカは、非常に法律や規則のやかましいところで、実に細かいところまで、一々規則がつくられている。その点非常に不自由な国であるが、それは国家の建設のために、個人の自由を制限するのではなく、個人の自由を護るために、「自由」