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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
在线阅读新渡戸 稲造《自警録(じけいろく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 168,224 字 · 328 页
英雄も聖人も悪口を気にかける
こういうと、あるいはそんな些細なことがと、言い流す人もあろうが、実際においては自分の悪口を言われても、これを心にかけず平然たるくらいまで進んだ人ははなはだ少ない。中にはそんなことは構わぬと称する人も数多あるが、なにかかにか言われると、まったく無頓着に聞き流す人はほとんどない。誰しも必ず心に不愉快を感ずる。ことに少しく神経過敏なものになると、なおさら不愉快を深く感ずる。無頓着と称される豪傑肌の者でさえも、その実なかなか心を悩まし、自分に対する悪口に無頓着なることは出来ぬ。またズッと高く進んだ聖人さえも、全然これを無視するを得難いもののように思われる。
英雄も聖人も悪口を気にかける
かつて故児玉大将が生存中、僕は一夕大将をその邸に訪ねたことがある。折から外出より帰った大将は、
「大層お待たせした」
と挨拶し、
「イヤハヤ、どうも元老の爺連がお互いに悪口言い合うを調和するは、一方ならぬ骨折りだ。今日も一日かかって、そんな骨折りをやって来た」
と歎ぜられた。僕は、
「悪口って、どんなことを言われるのです」
「どんなことって、まるで裏長屋の婆が井戸端でグズるのと異なったことはないさ」