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ほどう
舗道
宮本 百合子
「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,745 字 · 70 页
ぞろぞろ食堂の方へ行くと、地下室の階段を下から食事をすました益本があがって来ながら、ミサ子たちの一団を見ると、
「ダメよ! 今日は!」
と大きな声で云った。
「ゴボーに竹輪ブよ」
「どうする?」
「どうする?」
地下室の下り口で停滞してしまった。
「……われらのレストランにしちゃおうカ」
「ね!」
××○○会社の食堂は一回二十銭ずつの食券だった。ところが賄は請負で、二十銭が勿体ないようなお菜のときがあった。女事務員たちは、そんなとき食券はとっといて「モーリ」で十銭の昼食をする。
九
ミサ子が帰ろうとしているところへ、柳がれい子とつれ立ってやって来た。
「いっしょに行かない?」
三人は連れだって、中央郵便局の建物の裏を銀座に向って歩いてった。
不図思いついたように柳が、
「ねえ、あなたがたどう思う? 私、若しはる子さんがこれっきり退社するようなことになったら、ひとつみんなから慰問金をあつめてはる子さんにあげたらどうかと思うんだけれど……」
「そう出来たら、よろこぶわ、キット」
れい子がすぐ答えた。
「私たち、沖本に腹をたてたりはよくやってるけれど、これぞといってみんなで纏まったことってのは一つもやっていないから、慰問金をあつめるのなんかいいわね」