轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぶま
舞馬
牧 逸馬
「新青年」1927(昭和2)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,843 字 · 16 页
さっき、こういって障子をあけて見ても、いままで声のしていた親方がどこにもいないので、茂助もお八重もいささか怖いような気がして、それからは障子を開け放して、二人とも縁側に出て何ということもなく話しこんでいた。
すると、夜中に近くなって、また峰吉が帰ってきたが、すぐ寝るというので、めいめいその仕度にかかった。すりばんが鳴って、湯屋から植峰へかけての空が真赤になったのはこの時である。峰吉は副小頭、茂助は梯子の係りとして、装束を固めて逸早く本部へ駈けつけて行った。そこから勢ぞろいして火元の湯屋へ繰り出したのだが、その夜は乾いた北西が吹いていて、どうにもならなかった。で、比較的大きくなって明方に及んだ。
ところが、さわぎはこれだけではなかった。というわけは、湯屋の焼跡から二つの焼屍体が発見されたのだった。一つは湯屋の娘おとめちゃんで、他の一つは茂助だった。だから、こうして茂助を殉職消防夫として死後表彰することになったのである。
怪火だった。火の気のあるべきはずのない物置から発火したとあって、放火だろうと警察が活躍していた。おとめちゃんの死んだのは逃げおくれたからで、これは気の毒だがまず致方ないとしても、茂助は、事実世評のごとくおとめちゃんを助けに這入って死んだものなら、恋仲だろうが何だろうが消防夫として火事で死ん