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わかきせだいへのれんあいろん

若き世代への恋愛論

宮本 百合子

「昼夜随筆」白揚社、1937(昭和12)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,340 字 · 28 页

青空文庫

農村での生活がたち行く家庭で若い人々の負う荷はそのような形だが、貧農の娘や息子の青春は、どんな目にふみにじられていることであろう。政府は東北局というものを新しくつくらなければならない程度に、日本の農村は貧困化している。売られて都会に来る娘の数は年を追うて増加して来ている。矯風会の廃娼運動は、娘が娼妓に売られて来る根源の社会悪を殲滅し得ない。

小さい自作農の息子が分家をするだけの経済力がないために結婚難に陥っていること、またそういうところの若い娘たちが、また別の同じような農家へいわば一個の労働力として嫁にもらわれ、生涯つらい野良仕事をしなければならないことを厭って、なるたけ附近の町かたに嫁ぎたがる心持。ある座談会で杉山平助氏は、中農の娘が巡査、小学校の教員、村役場の役員その他現金で月給をとる人のところへ嫁にゆきたがるのは、農村に現金が欠乏しているからと、語っておられる。それも確に一つの原因ではあろうが、今日、婦人雑誌の一つもよむ若い農村の娘は、耕作の激しい労働に対する嫌悪と文化の欠乏を痛感している。私の知っているある娘はこういった。「私は東京で嫁に行きたいと思っていたんですけれど。