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くさまくら

草枕

夏目 漱石

一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页

青空文庫

しかしどう変化してもやはり明らかに桜の姿を保っているところが非常に面白い。

「こいつは愉快だ。奇麗で、変化があって。こう云う風に動かなくっちゃ面白くない」

「人間もそう云う風にさえ動いていれば、いくら動いても大丈夫ですね」

「非人情でなくっちゃ、こうは動けませんよ」

「ホホホホ大変非人情が御好きだこと」

「あなた、だって嫌な方じゃありますまい。昨日の振袖なんか……」と言いかけると、

「何か御褒美をちょうだい」と女は急に甘えるように云った。

「なぜです」

「見たいとおっしゃったから、わざわざ、見せて上げたんじゃありませんか」

「わたしがですか」

「山越をなさった画の先生が、茶店の婆さんにわざわざ御頼みになったそうで御座います」

余は何と答えてよいやらちょっと挨拶が出なかった。女はすかさず、

「そんな忘れっぽい人に、いくら実をつくしても駄目ですわねえ」と嘲けるごとく、恨むがごとく、また真向から切りつけるがごとく二の矢をついだ。だんだん旗色がわるくなるが、どこで盛り返したものか、いったん機先を制せられると、なかなか隙を見出しにくい。

「じゃ昨夕の風呂場も、全く御親切からなんですね」