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くさまくら
草枕
一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页
人の邪魔になる方針は差し控えるのが礼儀だ。邪魔にならなければ方針が立たぬと云うなら、こっちも屁をひるのをもって、こっちの方針とするばかりだ。そうなったら日本も運の尽きだろう。
こうやって、美しい春の夜に、何らの方針も立てずに、あるいてるのは実際高尚だ。興来れば興来るをもって方針とする。興去れば興去るをもって方針とする。句を得れば、得たところに方針が立つ。得なければ、得ないところに方針が立つ。しかも誰の迷惑にもならない。これが真正の方針である。屁を勘定するのは人身攻撃の方針で、屁をひるのは正当防禦の方針で、こうやって観海寺の石段を登るのは随縁放曠の方針である。
仰数春星一二三の句を得て、石磴を登りつくしたる時、朧にひかる春の海が帯のごとくに見えた。山門を入る。絶句は纏める気にならなくなった。即座にやめにする方針を立てる。
石を甃んで庫裡に通ずる一筋道の右側は、岡つつじの生垣で、垣の向は墓場であろう。左は本堂だ。屋根瓦が高い所で、幽かに光る。数万の甍に、数万の月が落ちたようだと見上る。どこやらで鳩の声がしきりにする。棟の下にでも住んでいるらしい。気のせいか、廂のあたりに白いものが、点々見える。