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くさまくら

草枕

夏目 漱石

一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页

青空文庫

あとは至極呑気な春となる。

余はまたごろりと寝ころんだ。たちまち心に浮んだのは、

Sadder than is the moon's lost light,

Lost ere the kindling of dawn,

To travellers journeying on,

The shutting of thy fair face from my sight.

と云う句であった。もし余があの銀杏返しに懸想して、身を砕いても逢わんと思う矢先に、今のような一瞥の別れを、魂消るまでに、嬉しとも、口惜しとも感じたら、余は必ずこんな意味をこんな詩に作るだろう。その上に

Might I look on thee in death,

With bliss I would yield my breath.

と云う二句さえ、付け加えたかも知れぬ。幸い、普通ありふれた、恋とか愛とか云う境界はすでに通り越して、そんな苦しみは感じたくても感じられない。しかし今の刹那に起った出来事の詩趣はゆたかにこの五六行にあらわれている。余と銀杏返しの間柄にこんな切ない思はないとしても、二人の今の関係を、この詩の中に適用て見るのは面白い。