轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きくちよしょう
菊千代抄
山本 周五郎
「週刊朝日春季増刊」朝日新聞社、1950(昭和25)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,178 字 · 72 页
……菊千代は失禁したのである、馬が止ったとたん、温かいものがかなり多量にそこを濡らすのを感じた。今もそれがきみ悪く内腿の肌に感じられるのである。
「――御気分がお悪うございますか」
「気分も悪い、はきそうな気持だ、しかしこれはおさまるだろう」
「――お薬をめしましょうか」
「いや薬はいらない、大丈夫だ」
早くこの不愉快なものの始末をしたい、そのためにみんなを遠ざけたのであるが、さて半三郎と二人きりになると、どういって説明していいかわからず、とうてい口にすることができないような気持になった。
「――冷えるといけません、お敷き下さい」
半三郎も動顛していたのだろう、ふと気づいて馬乗り羽折をぬいだ。
「いや構わない、こうしていればいい」
菊千代は怒ったように顔をそむけた。
「少しこうしていれば、すぐに帰れるから」
それを敷けば汚れるであろう。半三郎の前からさえ逃げだしたくなった。これまではこんな事で気を遣ったためしもない、御殿にばかりいたせいでもあるが、おかわの不浄の始末さえ松尾にさせてきた。……それが今はまるで違う、あんな異常な出来事があったのだから、そそうをするくらいはさして気にすることもない、あっさりいってしまえばいい。