轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はとみき

葉と幹

小川 未明

「読売新聞」1920(大正9)年5月7~8日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,622 字 · 4 页

青空文庫

一

一

ある山に一本のかえでの木がありました。もう長いことその山に生えていました。春になると、美しい若葉を出し、秋になるとみごとに紅葉しました。

町から山に遊びにゆくものは、その木をほめないものはなかったのであります。

「なんといういいかえでの木だろう。」と、子供も年寄りも、みなほめたのであります。

けれど、木はがけの辺に立っていましたので、みなは欲しいと思っても、取ることができませんでした。

あるとき、そんなに人々がほめるのを、かえでの木は聞いたところから、幹と葉とがけんかをはじめました。

「こんなに評判になったのも、俺が幾年もの間、こんなにさびしい険しいところに我慢をして生長したからのことだ。俺の姿を見てくれい。雪のためには、ある年はおされて危うく折れそうになったこともあり、また、ある年の夏には、大雨に根を洗われて、もうすこしのことで、この地盤が崩れて、奈落の底に落ちるかと心配したこともある。いま、おまえがたが、踊ったり、跳ねたり、のんきに太陽に照らされて笑ったり、風に吹かれて唄をうたったりすることができるのも、だれのお蔭だと思うか。けっして俺のご恩を忘れてはならんぞ。