轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
とうくろうのしま
藤九郎の島
久生 十蘭
「オール讀物」1952(昭和27)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,765 字 · 19 页
涙をこぼしながら先着の四人に語って聞かせた。
船頭につづく十二人の舟子は、破船を見捨て、十町も沖から島に泳ぎ着いたというだけあって、いずれも倔強な連中ばかりであった。そのなかに久七という鍛冶の心得のあるものや吉蔵という指物師がいて、足らぬがちの島の暮しを見て気の毒がり、ありあう道具で、手廻りの道具をいろいろこしらえてくれた。左太夫が死んでからは、米作りの仕事もやりっぱなしになり、せっかくの力米も枯れかけていたが、大阪組のおかげで、これもすこやかに立直った。
翌十九年、大阪船と月も日もおなじ正月の五日に、またもや親船を壊した舟子が流れ着いた。
朝早く、浜へ潮垢離をとりに行っていた土佐船の長平が、甚八たちのいる岩穴へ駆けこんできた。五人ばかりの人が乗った艀が、こちらへ漕ぎ寄ってくる。生憎と岸波が強く、放っておけば、岩根にぶちあててしまうから、なんとかしてやらねばなるまいといった。
島組の三人が東の入江へ出てみると、木箱のようなものを積込んだ艀が、いまにも沈みそうなようすで、真向に入江へ漕ぎよってくる。凪のときは手頃な入江だが、風が吹くと、悪い潮騒がたって危険な場所になる。