轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょこうのはる
虚構の春
「文学界」1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,586 字 · 108 页
君は、僕の『つぼ』をうったことは曾つてないのだ。倉田百三か、山本有三かね。『宗教』といわれて、その程度のことしか思い浮ばんのかね。僕は、君のダス・ゲマイネを見たと思ったよ。けれども別に僕は怒りもしなかった。すると、なんだい、『ゆるす』っていうのは。僕は、君が『許して呉れ。』というのをそう表現したのかとさえ思ったほどである。それから、ずっと後でなにか道を歩いていた時、ははあと漸く多少思ったこともある。けれども、それは僕が次第にほんとの姿を現わし始めたことに過ぎないのだ。あの夜は、この温情家たる僕に、ひとつの明確な酷点を教示した。君のゆるせなかったもの、それは僕の酷点のひとつに相違ない。『われ、太陽の如く生きん。』僕の足もとに膝まずいて、君が許せないと感じたものを白状して御覧。君は、そういう場合、まるで非芸術のように頑固で、理由なしに、ただ、左を右と言ったものだが、温良に正直にすべてを語って御覧。誰も聞いていないのだよ。一生に最初の一度。嘘でも、また、ひかれ者の小唄でもないもの。まともなことを正直に僕に訴えて見給え。君は、なにか錯覚に墜ちている。僕を、太陽のように利用し給え。