轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はえ
蠅
海野 十三
「ぷろふいる」1934(昭和9)年2月号~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,774 字 · 40 页
「なにッ」
「そりゃ、弁当屋の小僧だよ」
「弁当屋の小僧にしても……」
「オイ小僧、ブローニングで脅されないうちに、早く帰れよ」
少年はフョードルの言葉が呑みこめたものか、肯いて黒い函をとると、重そうに手に下げ、パッと室外に走り出した。
「なーんだ、本当の弁当屋の小僧か」
「いや小僧に化けて、白軍の密偵が潜入して来るかも知れないのだ」とマレウスキー中尉は神経を尖らした。
「油断はせぬのがよい。しかし卑怯であっては、戦争は負けじゃ」
と一伍一什を見ていた軍団長はうまいことを述べて、大きな椅子のうちに始めて腰を下ろした。
「注意をすることが、卑怯であるとは思いませぬ」とマレウスキー中尉は引込んでいなかった。「怪しいことがあれば、そいつは何処までも注意しなきゃいけません。たとえば……」
「たとえば何だという?」とフョードルが憎々しげに中尉を睨みつけた。
「たとえば、ああ、そこをごらんなさい。一匹の蠅が壁の上に止まっている。そいつを怪しいことはないかどうかと一応疑ってみるのがわれわれの任務ではないか」
「蠅が一匹、壁に止まっているって? フン、あれは……あれは先刻弁当屋の小僧が持って来た弁当の函から逃げた蠅一匹じゃないか。