轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
又、記代子がニンシンをうちあけたのも、熱海の宿であった。
青木は錦ヶ浦の茶店で休んだ。断崖の柵にそうて、若い人たちがむれていた。空も、海も、あかるい。
「あそこで、ダイヴしたのかな」
しかし、そう考えたり、それを突きとめるために来たわけではなかった。彼は目当てがないのだ。ただ、感傷旅行をたのしんでいるのであった。
熱海の道々に記代子の匂いがしみているような気がする。そう考えてもいいのだ。なんとなく、センチな気分を追って、漫然と感傷的な旅にひたりたかったのだ。彼の身をとりまいて感じられる見えない敵意の数々から逃げだしたくもあった。
「ここ一週間ぐらいのうちに、誰か投身した人がありましたか」
彼は茶店の人にきいた。
「投身は下火になりました。今は、アドルムですね」
「なるほど。めったに投身はないのですか」
「いゝえ。下火といっても、かなり、あるんですよ。三四日前にも泳ぎの達者な学生がとびこんで、助かりましたね」
茶店の前に十名ぐらいの若い男女の団体がむれていた。
「誰か、とびこむ勇士はいないか」
「よし」
小柄な男が声に応じて群から離れた。彼は肩のリュックを下した。